Chagall's bouquet - シャガールの花束 -

Leon Sakura




流れる音楽を受け止めたとき
記憶から呼び起こされる情景があります

その断片や気持ちを
思いつくままノートに走り書き それから繋ぎ合わせ
私はいつも歌詞を書いています

この曲を聴きながら書き留めた言葉は たくさんありました
月 鳥 花 恋人たち Paradise 静けさ laugh

でも 何よりも先に私の頭に思い浮かんだのは
“Blue”という色でした

青い夜の中の 時間が止まったような世界にいる恋人たちは
月や鳥や花たちに見つめられながら
静かに寄り添っている

私が頭の中で見ていた情景は どこか抽象的でしたが
作業はスムーズに進み
あっという間に この曲の歌詞は出来上がりました

それからしばらくして
私は既に書き終えたこの曲の詞のことを考えながら 夜の道を歩いており
なにげなく確かめたことがあります
現実の世界の夜は濃紺に近い色で 青い色ではないということです

では どうして私は夜の色を“Blue”と書いたのだろう・・・面白いなと
そのときは深く考えませんでしたが
数ヶ月前 私はその答えを
以前から大好きだった画家マルク・シャガールの絵の中に見つけました
私が思い浮かべていた青は
通称“シャガール・ブルー”とよばれる その青だったのです

無意識のまま歌詞に書いていた 月 鳥 恋人たち
そして シャガールの世界で 繰り返し愛を象徴する花束の姿を
永遠にシャガールにしか描けない特別な青
“シャガール・ブルー”の中に見つけたとき
私の思い描いていた どことなく幻想的な情景は
突然に鮮明なイメージへと変わりました

そして 初めて聴いたときからとても歌いたかった この曲のメロディーは
あらためて私の琴線に触れ
私は この曲を歌うことへのエネルギーや愛着が
自分の中に生まれてくるのを しっかりと感じることができました